2024年04月25日

あなたの知らないビジネス探訪-vol.23-

ケニア産の日本手もみ茶⁉アフリカで日本の手もみ茶文化を広めている面白いビジネスに注目!

世の中にはさまざまなニーズが存在し、多種多様なビジネスがあります。
業界内の人々にとっては当たり前のことでも、業界外に出てみると知らないことばかりです。

今回は、日本の伝統産業をアフリカ中心に広める活動を行っている合同会社Global Proud代表社員の三浦陽介さんに取材いたしました!

三浦さんが何故アフリカに興味を持ったのかから、現在ケニアで行っているお茶栽培事業を中心にお話を伺いました。
コミュニティにとって第三者の立場として何が出来るのか考え、地域の課題全体を解決できる仕組み考えているという三浦さん。
今後の事業拡大に関しても詳しく伺いました。

※この記事は、國本知里さんの協力を元に、スマートソーシャルが開発したインタビュー生成AIサービスを利用して85%をAIで作成しています。
そのノウハウを持つスマートソーシャルの秘密はこちら

ぜひ、内容を楽しんでみてください♪
 

三浦 陽介MIURA YOUSUKE

合同会社Global Proud代表社員。東アフリカに位置するケニアでの日本茶栽培事業を行う。2023年2月に三重のお茶農家と一緒にケニアへ渡航し、ケニア初の手揉み茶を製造。日本の伝統的な緑茶製法である手揉み茶の技術を通じて現地農家が直接手仕事へ価値をつけて収入増加へつなげる試み。今後、村の学校支援や、循環型肥料システムの導入、水などのインフラ支援も見据えて活動中。

 

「理想の村」アフリカとの出会い

中島

三浦さん、今日はお時間をいただきありがとうございます。

三浦さん

よろしくお願いします。

中島

最初に、現在進めている事業について教えていただけますか?

三浦さん

はい、現在5、6個の事業を展開しています。主にネット販売で、日本の商品を海外に向けて販売しています。
8年前からアメリカのAmazonで販売を開始しました。
他には、ウガンダでの村づくりやケニアで手もみ日本茶の栽培プロジェクト、廃材を利用したアート事業など、
まだ立ち上げたばかりではありますが様々な事業を手掛けています。

中島

沢山の事業を行っているんですね!どんなきっかけでアフリカを中心に活動されるようになったのでしょうか?

三浦さん

4年前にウガンダで村づくりをしている日本人と出会いました。その出会いが、アフリカに行くきっかけになりましたね。
彼は「地球にとって理想の村とは何か」を追求し、水も電気もないウガンダから発信する活動を行っていました。
当時、私は経営者として普通のビジネスしかやってなかったので、彼の「理想の村」に疑問を抱きつつもとりあえず、東アフリカ3か国を巡りました。

中島

へぇ~!まさかの日本人との出会いだったとは。アフリカに行ってみてビジネスの考え方はどう変化しましたか?

三浦さん

アフリカに行き、商売って単に商品を売るだけではないと気付きました。
ネット販売で海外にモノを売る事業をやっていますが、究極、売る事にはこだわっていません。
ネット販売だったら誰でもサイトを立ち上げて出来てしまいますから。
アフリカの現地を知り、先進国が失っている人々の繋がりやコミュニティの強さに触れ、単なるビジネス以上の価値を見出すことができ始めました。

中島

確かに、資本主義の事業は利益をいかに出すかを重要視しすぎていて何か根本の部分を失っている気がしています。
三浦さんは、前職でどのようなお仕事をされていたんですか?

三浦さん

化学系のメーカーで働いていましたね。元々、研究者を目指していて博士号まで取りました。

中島

研究者だったとは驚きです、まさかの博士号まで…!学生時代に目を向けていたものは何ですか?

三浦さん

高校生の頃は食糧問題に興味があり、どうにかしたいと思っていました。
大人になってすっかり忘れていたんですが、アフリカに行って自分が昔持っていた興味関心を思い出しましたね。
アフリカでも、ケニアやウガンダはまだ緑があるので資源が豊富なのですが、やはり収入面で食料問題を抱えている地域はあります。
そこもいつか解決できればと思っています。

ケニアでのお茶栽培事業

中島

アフリカで日本茶を栽培しようと思った動機は何ですか?

三浦さん

動機としては、三重県で伊勢茶を栽培している中森製茶の中森さんとの出会いが大きいですね。
中森さんは伝統的な手もみ茶を作っていて、毎年伊勢神宮に奉納しています。
中森さんに会い、手もみ茶の製法を見せてもらい、シンプルに素晴らしい・美しいと強く思ったんです。
その素晴らしい技術を伝承する為にも、日本だけでなく海外の茶農家にも伝えたいと思いました。

三浦さん

アフリカでの挑戦のために中森さんを説得しまして、昨年、ケニアに行って頂きました。
その際は、手もみの技術だけを伝承したのではなく、手もみに使うほいろという機械も現地の家具職人と一緒になって、日本と同じものを作成しましたね。

中島

手もみ茶の素晴らしさを広めたいという純粋な思いから始まったのですね。
アフリカでのお茶栽培に目を付けたのはどういう思いがあったのでしょうか?

三浦さん

世界的に日本茶の人気は右肩上がりで、アフリカの都市部で少しずつ日本食レストランが出てきて、日本茶も市場が少しずつ盛り上がっているそうです。
アフリカの茶農家はまだ機械化が十分に進んでいない分、手仕事が多く残っているので、そこで日本の伝統技術の手もみ茶を国を超えて伝承出来たらと思いました。

中島

なるほど。アフリカでも日本茶の市場の可能性があるんですね。
ケニアの気候は日本茶の栽培に適しているんですか?

三浦さん

かなり適しています。ケニアの平均気温は20℃前後で、キリマンジャロのあるケニアでは標高が高い為、春のような気候が一年中続きます。
お茶の木の大元自体は同じで、茶葉のルーツも日本と一緒の為、気候も相まって茶葉の栽培には適していますね。
ちなみに、ケニアは紅茶生産量の世界3位の国で、リプトンの紅茶栽培場もあります。

中島

意外ですね!赤道直下の国なのでもっと暑いのかと思いました。まず、手もみ文化をアフリカに伝承するってなかなか思いつかないですよね。

三浦さん

そうですね、私がお茶農家だったらまずは思い付かないです。丁度私がアフリカに行く前、コロナ真っ只中に中森さんとご縁を頂いて初めてお話をしたんですよ。
コロナでインバウンドも無くなってお茶農家さんも苦しい状況にあった時でした。
その時、苦しいならば海外通販でお茶を売れば収入の足しになるんじゃないかと考えたんですが、それは私以外にも誰もが出来る事で一時的だなとも悩んでいました。

三浦さん

そんな時、中森さんのお父様から「異業種の君が、この状況から脱する方法を考えてくれても良いんだよ」という言葉を頂きました。
僕にしか出来ない事、繋げる事を考えて、思い付いたのが手もみ茶をアフリカに伝える事でした。

中島

なるほど。業界の中の人間ではなく、外からの視点で自由に考えても良いと仰ってくださったんですね。
中森さんはアフリカへいく事をすぐに承諾してくださったんですか?

三浦さん

いいえ、2年かけて説得しました(笑)正直、営業は苦手なのですが、とりあえず時間を作って中森さんへ会う事を繰り返して関係性を育んで行きました。
中森さんが「アフリカに行っても良いよ」と言ってくれるまで、本当に行ってくれるのかなと不安で仕方ありませんでしたね。

中島

2年ですか!凄い熱量です。そこまで出来た原動力はどこにあったのでしょうか?

三浦さん

やはり「日本の素晴らしい手もみ茶文化を伝承したい」という純粋な気持ちが大きいと思います。
お茶文化は中国から入ってきて、1000年以上日本文化として定着しています。
機械化したのがここ100年以内の出来事なので、機械化するまではずっと人伝てで伝統が守られてきました。
中森さんから手もみ茶を知って、知れば知るほどその魅力に惹かれていきました。
日本には手もみ茶文化以外にも、素晴らしい伝統文化が沢山あると思っています。

中島

確かに日本に居たら、なかなか伝統技術の素晴らしさに気付きにくいですよね。

三浦さん

それこそ手もみ茶は毎年伊勢神宮に奉納されていますが、この奉納文化も土地への感謝が無ければ出来ないものですよね。日本の素晴らしさってここにあるのかなと思いますね。
国として2000年以上続いていて、神社仏閣があり、八百万の神の力を受けて農作物を作っていて、神様へ奉納をして感謝を伝える。
奉納って、奉納するのにお金がかかるんです。資本主義的に言ってしまえば、意味のない事かも知れないですが、やっぱり作物が出来る事・土地への感謝が無いとできませんよね。

三浦さん

アフリカは長い間、資本的に搾取された歴史があります。植民地の時代も長く、何百年と奴隷制がありました。
だからこそ、土地や穀物に対して感謝があまり馴染んでないというか、日本との意識の違いを感じていますね。

中島

なるほど。歴史的な背景によっても日本と大きく異なる所があるんですね。

三浦さん

アフリカという土地が誰かのものではなく自分たちの大切な資産だと認識し、彼らが自ら活用していける道を考えなければと思っています。
私の行う事業が、その一助となれば幸いです。実際に、現在は手もみ茶をチャレンジとして作ってきただけなので、継続して製造して、将来的には現地の人が直接手もみ茶を売れるように事業を考えています。

“第三者”として今後やっていきたい事

中島

手もみ茶事業において今後の課題はありますか?

三浦さん

今後の課題としては、手もみ茶を教える人材を継続的にアフリカに派遣しなきゃいけないので、その仕組みづくりですね。
また、機械による効率化と手作業をどうバランス良く設計するかです。効率化を上手く出来れば事業としては成功かと思います。

三浦さん

また、手もみ茶の文化をどう根付かせていくかがポイントになります。手もみって4・5時間揉むのでかなり大変なんですが、
アフリカ独自の歌やダンスと手もみ茶の文化を融合させて「手もみダンス」を生み出しても面白いかもと考えています。

中島

確かに、アフリカの踊る文化を組み合わせた手もみダンス面白そうです(笑)

中島

ケニアでの事業支援もされていると伺いましたが、今後はどのように活動を広めたいのですか?

三浦さん

現地のお茶農家だけではなく、コミュニティにとって必要な存在になることが目標です。
例えば、現地でお茶栽培に使われている肥料は外国からの輸入に頼っていますが、現地で取れた有機物やし尿から肥料を作る事業を考えています。

三浦さん

日本も江戸時代は全部し尿から肥料を作っていた循環型社会だったそうです。現在、その技術の土台を持っている方と話をしていて実現に向けて動いています。

中島

実現に向けて既に動き始めているんですね!楽しみです。

三浦さん

更に、学校がし尿を回収して利益を得られるシステムを作ることも計画しています。
アフリカの学校は、基本的に給食がありません。学校給食の仕組みを作って欲しいとの声はあるのですが、給食の設備を整えるには学校運営のお金が無い状況なんですよね。
その為、さっき言ったモデルで肥料を稼いで、学校給食の設備を整えていければと考えています。

中島

凄い、給食の問題も解決できちゃいますね。

三浦さん

そうですね。手もみ茶伝承だけでなく色々かみ合わせて、コミュニティの課題を一気に解決しようというのは目指すべきところですね。

中島

他に課題に感じていることはありますか?

三浦さん

伝統を守りつつ、どうテクノロジーを活用していくかが大きな課題です。
ビデオ通話やVRなどのテクノロジーを使って、手もみ茶の伝統をアフリカに伝え、さらには世界に広めていくことも目指しています。
日本のトップオブザトップの職人さんを集めて、海外に日本文化を伝承させる人材を集めたいと考えています。
私は経営者ではなく、外からの視点を伝えて事業を残していく存在になればと思っています。

中島

現代の技術を使えば、場所関係なく世界中にも伝承できますもんね。最後に、若い世代へ向けてメッセージをお願いいたします。

三浦さん

SDGs等の課題は、今の働き世代が考えるべき課題だと思っています。
課題はどんどんと出てくるだろうし、新しい世代には今あるSDGsのその先の課題、未来どうあるべきかをもっと自由に発想をもって活動して頂きたいですね。

中島

三浦さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

三浦さん

ありがとうございました!

今回の発見

  1. 日本茶は世界的に人気があり、アフリカでも市場が盛り上がってきている。ケニアでは赤道直下だが標高が高く気候が安定して20℃前後の為、日本茶の栽培に適している。
  2. 手もみ茶は、作るのに5時間ほどかかる。お茶文化時代も日本に入ってきたのが1000年以上前で、ここ100年以内に機械化された。
  3. 外部の立場でその人にとって何が出来るか考えてみると、面白いアイデアが広がっていく

今回の記事いかがでしたでしょうか?

この記事を作成したスマートソーシャルでは、SES・システム開発を行っています。

システム開発に不慣れでプロジェクトの進め方が分からない、または依頼したものと違ったものが出来上がったという経験はないでしょうか?
スマートソーシャルではそんなお悩みを解決できる「すべらないシステム開発」を確立しています。
また、エンジニア不足でお困りの方向けに、エンジニア採用の勉強会もご用意しております。

⇩気になる方はこちらから⇩