2023年07月19日

あなたの知らないビジネスの世界探訪 -vol.12-

生産性を上げるタイムマネジメントの秘密

スマートソーシャル代表の酒井です。

このページは、日々の活動の中で出会った面白いビジネスやトピックを紹介する場となります。

世の中にはさまざまなニーズが存在し、多種多様なビジネスがあります。業界内の人々にとっては当たり前のことでも、業界外に出てみると知らないことばかりです。

今回は、酒井と新卒一年目の社員が、数々の企業でタイムマネジメントを行っている若林さんに興味を持ち、若林さんのどんな経験が現在の事業につながっているのか、生産性を上げる秘密について教えていただきました。

ぜひ内容をお楽しみください♪

若林 雅樹MASAKI WAKABAYASHI

株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社し、一貫して人事を経験。全社5,000人の働き方改革プロジェクトを任され、残業時間の削減に貢献。株式会社プロスタンダード設立後は、全社の働き方改革を人事として推進してきた経験を活かし、全社単位での残業削減、生産性向上を支援。コンサルティング先のクライアントは数百億企業から1兆円超え企業と多岐にわたる。また、独自のナインウォールズメソッドを活用して、再現性のある成果をクライアントに提供している。

生産性を上げるタイムマネジメントの秘密

永岡

初めまして。本日はよろしくお願いいたします。

若林さん

よろしくお願いいたします。

永岡

若林さんは、現在はどんな事業をされていますでしょうか?

若林さん

主に2つの事業で動いています。
法人向けの研修・コンサル
※管理職・メンバーのタイムマネジメント研修や生産性を上げるためのコンサル
新規事業で、生産性を高めるSaaSのプロダクトの作成

永岡

有り難うございます。プロダクトの内容については後で詳しくお伺い出来ればと思います!酒井から事前に伺っているのですが、6年目で起業された理由をお聞かせいただけますか?

若林さん

28歳で起業しようと決めていました。元々、インテリジェンスに居たころから起業は考えていて。結婚とかのライフイベントがあれば、ずるずるするなあと分かっていたので、28歳に起業すると決めていましたね。

永岡

なるほど。新卒で入社した会社ではどういった事をされていたのでしょうか?

若林さん

採用、教育、労務まわりです。リーマンショックの影響が厳しくて。出向の施策をせざるを得なかったり、会社や人事としてもありとあらゆることをする…そんな状況でした。その立て直しの中で、社員の方の生産性向上・残業削減のミッションを任して貰いました。

酒井

ピンチはチャンスですね!

若林さん

リーマンショックが落ち着き、市場が回復したらしたで、社員数も減っていたので1人当たりの負荷がピークになったんです。労働環境を整えなければならないという状況で、労働時間マネジメントのプロジェクトが稼働しました。

永岡

具体的にどんな事をされていたのでしょうか?

若林さん

社員の方の残業時間毎月継続的にウォッチしたり、、ノー残業デーや強制消灯の時間を作り見回りに行ったり、残業時間を減らすように動いていましたね。また、タイムマネジメント研修をしていました。人数が少ない分、1人当たりの生産性を高める武器が必要だったんです。

永岡

ここでタイムマネジメントという既に現在の事業と被る部分が出てくる訳ですね!

若林さん

社会人1年目は残業が多くて、どうにか生産性をあげれないか考えていました。
2年目から生産性オタクになって動いていましたね。社会人1年目の後半は、入社式と新入社員研修・オリエンの準備をやり切るしかない状況だったのもあって。自分も新入社員の採用を担当していたから、責任感を持って研修を担当していました。

酒井

究極の状態、自己変革するしかない状況だったんですね。

若林さん

そこから若林は生産性が良いと人事の間で認識され、4~5年目には会社全体の生産性をあげるプロジェクトを任せていただきました。2年間で会社全体の残業時間は半分近く減りました。しっかり自分のミッションを達成できたとの事で、退職して起業しました。

永岡

そういう流れで起業したのですね。生産性オタクだと日常生活で生産性について考えたりしますか?

若林さん

そうですね。タスク整理は社会人2年目からずっと継続しています。1週間後、1か月後のタスク整理を15年間続けてます。1週間でどれだけのタスクを行っているのか自分で振り返るというのも大事にしていますね。

永岡

15年!1週間でもすごいのに、1か月後までタスクを管理するんですね。

若林さん

タイムマネジメントを突き詰めると、いかに1つの事に集中する環境を整えるか?というのが大切になってきます。それで、営業なら売上に直結する業務時間・質を最大化する。マーケやバックオフィスなら企画時間・質。その為に、仕事やプライベートなイベントも入れて整理しています。

永岡

仕事だけじゃなくてプライベートもタスク整理に入れるんですか?

若林さん

ケアの対象になるのでそこも管理します。自分の管理すべき部分は全部書き出して整理すべきかなと思います。管理職層になると、メンバーのケアや家族、親、そして自分自身とケアすることが増えていくので、それらを全て管理して最重要事項に集中すると。

酒井

独自のメソッドを持って始められた先生稼業の方は、必ず1つの壁にぶつかるんですよね。儲ければ儲けるほど忙しくなって、自分の時間が取れなくなるという壁にぶつかる。その管理ツールをプロダクトにしてしまえば、管理しやすくなるからから良いですね!

永岡

ちなみに、若林さんが現在提供しているプロダクトはどんなサービスですか?

若林さん

業務を上司と部下間で、最初にコールイメージを擦り合わせるものです。
管理職にインタビューして確認したら、業務依頼した際にゴールイメージが違うと、手戻りしちゃうという事は結構発生しており。上流工程からおさえようと思っています。

永岡

手戻りしてしまう原因は、最初の業務依頼の時点でのすれ違いにあったんですね、、!

酒井

これはエンジニア向けのサービスなのでしょうか?

若林さん

現在は、人事特化で考えてます。Backlogみたいにエンジニア向けのモノを作成しても、直ぐには価値提供できないだろうなと。

永岡

なるほど。こちらの商品は、進捗率が直ぐに見れて良いですね。

若林さん

ゴールイメージの理解度とかキャパ、この課題に対する気持ちの前向きさも課題を依頼された時点で選びます。理解度低いからもう少し具体的に説明するねという風になるので、依頼された側はゴールイメージが鮮明になりより依頼品が良いものに出来上がると思います。

永岡

ぼやっとしたイメージで仕事を頼まれることがあって、期日やどのくらいの詳細度でとか、最初から分かる方がコミュニケーションの数(工数)も掛からなくて済むので、凄く良い商品ですね!使いたいです!

酒井

出来上がったら是非共有して頂けたらと思います!本日はどうもありがとうございました♪

若林さん

ありがとうございました!

今回の発見

  1. 追い詰められたようなつらい状況こそ、自ら道を切り開いていくチャンスがある。
  2. 仕事を依頼する(される)時は、初めの上流工程からゴールイメージを明確に擦り合わせることで、失敗を防げる。
  3. 自分のタスクを整理することで、自分の時間を確保でき、仕事に集中できる環境を作れる。
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若林 雅樹MASASHI WAKABAYASHI

株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社し、一貫して人事を経験。全社5,000人の働き方改革プロジェクトを任され、残業時間の削減に貢献。株式会社プロスタンダード設立後は、全社の働き方改革を人事として推進してきた経験を活かし、全社単位での残業削減、生産性向上を支援。コンサルティング先のクライアントは数百億企業から1兆円超え企業と多岐にわたる。また、独自のナインウォールズメソッドを活用して、再現性のある成果をクライアントに提供している。著書は「メールはすぐに返信するな。」KADOKAWA)。また、月刊人事マネジメントにて「全社的な生産性・ワークライフバランス向上活動を“泥臭く”継続・徹底して、大きな成果をあげる方策」を連載。

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