2023年07月14日

あなたの知らないビジネスの世界探訪 -vol.11-

アートとロジックは並列である!評価される芸術のロジックとは。

すべらないシステム開発のスマートソーシャル代表の酒井です。

このページは、私が日々の活動の中で出会った面白いビジネスやトピックを紹介する場となります。

世の中にはさまざまなニーズが存在し、多種多様なビジネスがあります。業界内の人々にとっては当たり前のことでも、業界外に出てみると知らないことばかりです。

第10弾は、
アートと人々との間の垣根を越えるべく、誰もが短期間で絵が描けるようになるスクールART&LOGICの代表を行う増村さんにお話を伺いました。
芸術こそ論理的でマーケティングが需要という面白いお話を教えていただきました。

ぜひ内容をお楽しみください♪

アートとロジックは並列である!

酒井

増村さんまずは起業のきっかけについて教えてください

増村さん

きっかけは、私の父親が余命宣告を受けたことでした。当時、私は仕事に追われている日々を送っていましたが、父の病状を知った瞬間、何か大切なことを見落としているような気がしました。

酒井

それは大きな転機となったのですね。具体的にどのような変化があったのでしょうか?

増村さん

父の余命宣告を受けて、私は急に絵を見たくなったんです。美術館やギャラリーに頻繁に足を運びました。

酒井

それは感動的な経験ですね。そして、絵を見ることで何か特別な出来事があったのでしょうか?

増村さん

はい、絵を見ている間にアーティストである親戚と再会する機会がありました。彼女との再会がきっかけで、私は自分のルーツを思い出すことができたんです。私の親戚一同が美術芸術に関わっていることを、です。

酒井

それは驚きですね。親戚一同が美術芸術に関わっているということは、増村さんにとって大きな影響があったのでしょうか?

増村さん

はい、特に大叔父は人間国宝です。多くの教えを授けてくれました。

酒井

それは素晴らしい環境ですね。おじさんから教えてもらった内容についても教えていただけますか?

増村さん

おじさんは私に向かって言ったんです。「自分と同じくらいうまい人間は世の中に1000人くらいいる。なぜ俺が人間国宝になれたのかわかるか?」と。その問いに対して、自分の頭を指さして、相手の欲しいもの、必要なものをつくる事だとマーケティングの重要性を教えてくれたんです。

酒井

なるほど、マーケティングの重要性ですね。芸術家は自分の好きなものだけを作っているイメージがありますが、実際は買う側の気持ちを考えなければならないということですね。

増村さん

そうです。それから次に、おじさんは手を示してこれだと、ゴマスリのポーズをしました。笑。まあ、一言で言うと営業ですね。

酒井

(笑)

増村さん

芸術作品は単なる創作物ではなく、人々の心を動かし、欲しいと思わせることが重要とその時気がつきました。

酒井

意外!一番そこは遠いところと思ってました。対極だと。。。誤解してました。

増村さん

誤解と言えば、 岡本太郎さんについても触れておきたいと思います。岡本太郎さんは私の父親が親しくさせて頂いていました。岡本太郎さんの作品は一見書き殴ったように見えるかもしれませんが、実際には精密に計算された構図に対して彩色されています。彼はロジックの塊と言えるでしょう。芸術は爆発だ?とおっしゃってますが、芸術はロジックとアートのバランスだと思います。

酒井

なるほど、岡本太郎さんの作品には深いロジックがあるのですね。岡本さんとお父上との繋がりが、芸術に対する理解や洞察力に影響を与えたのでしょうか?

増村さん

そうですね、父親と岡本太郎さんの関係に触れることで、芸術の奥深さや表現方法について学ぶ機会を得ました。それが私のアートアンドロジックというビジネスの基盤となったのです。

増村さん

ビジネスマンこそ画像認知力が必要であろうと思い、2日間のスクールを考案しました。このスクールでは、ビジネスマンが自分の自画像を2日間で描くという課題を与えられます。

酒井

なるほど、それは興味深いコンセプトですね。どのような目的がありますか?

増村さん

芸術は一般的にとっつきにくいとされています。特に日本の美術では、最初に理論を教えず自由に描かせて根拠のない評価をするという授業が一般的です。しかし、自分の作品に対して根拠のない批評や評価が行われると賢い人ほど美術を嫌いになる傾向があるのです。

酒井

確かに、美術の評価はフィーリングというか主観的な要素が強く、人々にとって理解しにくい場合もありますね。先生の受けがいいとか(あくまで個人の主観です)

増村さん

そこで、私はこのスクールを通じて芸術家たちとビジネスマンを直接繋げ、芸術を理解しやすくする機会を提供しようと考えました。
そこで、2日間で自画像を描くカリキュラムを開発しました。これにより、参加者の観察力が高まることが実験によって示され、さらにスポーツ選手やフットボール選手の動体視力と絵の上手さの関連性が明らかになりました。

酒井

それは興味深い結果ですね。脳内で理解し、アウトプットすることによって、ビジネスの能力が変わることがわかったということですか?

増村さん

その通りです。自画像を描く過程で、参加者は自分自身を観察し、脳内で理解した情報を具現化することによって、より深い理解とアウトプットの能力を養うことができるのです。

酒井

その方法はなるほどですね。また、授業で逆さまに描くワークがあるとのことですが、それによってどのような効果が期待されるのでしょうか?

増村さん

逆さまに書くことにより、認知バイアスが外れ、冷静な観察と論理展開が可能になります。人は人を描く時、頭から描くので全体のバランスが崩れるのですがそういったことがなくなります。
認知バイアスといえば言葉は認知バイアスのおかげで嘘をつけるのですが、画像は嘘をつけず、客観的な情報を提供する癖づけができるんですね。

酒井

なるほど、逆さまに書くことで新たな視点や客観的な情報を得ることができるのですね。それによって、認知バイアスを外して正しいビジネスのあり方を模索する能力開発ができるのですね。

増村さん

そうです。受講者には、IT関係者、プロジェクトマネージャー、上級エンジニア、医師、経営者などがいらっしゃいます。彼らは認知バイアスを外し、物事を構造的に理解し、ロジックに基づいた伝え方が非常に大事な仕事だと思うんですがまさにぴったりだと思いますね。

酒井

素晴らしい!有名なお笑い芸人の方も自分の言いたいことを伝えるのに絵で伝える人がいるのですが、説得力もあり、笑いも大きいです。
僕も、自分の言いたいことを絵で伝えたいと思っていていつも憧れていました。

増村さん

酒井さん、ぜひ学んでみてください!

酒井

増村さん おいくらですか? 笑

今回の発見

  1. 芸術は爆発という名のロジックであること。
  2. ほとんどの人が才能勝負と思ってる業界ほどマーケティングと営業の力が働きやすいこと
  3. 絵で説得できるともっとコミュニケーションが色々できるんじゃないかと思ったこと(世界の言葉は絵だった)

Guest Profile

増村 岳史 MASUMURA TAKESHI

学習院大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。
マーケティング、営業を経て映画、音楽の製作および出版事業を経験。
リクルート退社後、音楽配信事業に携わったのち、テレビ局や出版社とのコンテンツ事業の共同開発に従事する。2015年アートと人々との間の垣根を越えるべく、誰もが驚異的に短期間で絵が描けるART&LOGIC(アートアンドロジック)を立ち上げ、現在に至る。著書に『ビジネスの限界はアートで超えろ! 』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) 『東京藝大美術学部 究極の思考』(クロスメディア・パブリッシング)『ハイパフォーマー思考』(共著:ディスカヴァー・トゥエンティワン) がある。

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