2021年12月27日

大事なことって、たいてい面倒くさい

アロエヨーグルト

プロジェクトを円滑に進めていく上で、避けたいトラブルっていっぱいあると思います。
私がとくに避けたいトラブルとして「認識の齟齬」があります。

プロジェクトの大なり小なり関わらず、この「認識齟齬」により予期せぬタイミングで、追加作業や工程の手戻りが発生。
結果、プロジェクトが遅延しアチチな状態になることもしばしば。

そこで

  1. どうして認識齟齬は起こるのか
  2. 認識齟齬によって何が起こるのか
  3. どうすれば認識齟齬を回避できるのか

私なりに今一度考えてみた。



1.どうして認識齟齬は起こるのか

読んで字のごとく両者の認識が合っていないから。

【誇張し過ぎた例】
ある日、取引先の担当者(Aさん)と制作側の担当者(Bさん)の2人が、プロジェクトの開発仕様についてのMTGを行いました。

Bさんは、専門用語で話します。
Aさんは、専門的な知識を有していません。しかし、「うん、うん」と頷きます。
Bさんは、全て言葉で伝えます。資料はとくに用意していません。
MTG後、Aさんは話し合った内容を社内に持ち帰り、上司に仕様を共有しました。


その後、開発が完了し納品を行いましたが、後日取引先から「仕様が違う」と連絡が来たのでした。
どうやら先方の上司の方が認識していた仕様と違っていたようです。

相手が必ずしも専門的知識をもっているとは限らない
片方が一方的に専門用語で会話しても相手に伝わるわけがない。

人間誰しも、難しい物事を頭の中で自分なりにわかりやすいように変換する。
うまく変換できれば良いのだが、間違った認識のまま「あーね、完全に理解したわ!」と解った気になり、「(うん、うん)」と頷く。

言った本人も相手の反応をみて「よし、うまく伝わっているぞ!」と誤認識。
こうして、無事に認識齟齬が発生したのであった。




2.認識齟齬によって何が起こるのか

認識齟齬によって、起こる可能性をいくつか。

  • 工程の手戻り、修正作業

    └ 間違った認識で作業を進めていたので修正作業発生。最悪、作り直しの場合も。

  • 作業の遅延、納期の延期

    └ 予期せぬ作業が発生することでスケジュールの見直しが発生。納期に間に合わずリリース日程の引き直しの場合も。
    └ 納期を守ればプロジェクトは終わりではない。その他にも様々な工程が後がつかえている。

  • etc…




3.どうすれば認識齟齬を回避できるのか

認識齟齬を回避するために、私自身が日頃意識していることをいくつか。

  1. 【相手を知りましょう】

    ・必ずしも取引先の担当の方が、専門的知識をもっているとは限らない。
    ・まずは、相手の方がどのような方なのか(エンジニア経験あり?デザイン経験あり?)気にしてみましょう。

  2. 【双方が解る形に変えてみましょう】

    ・相手に合わせて「言葉」を言い換えてみる。
    ・視覚的にわかる形や資料に置き換えてみる。
       └ 例:画面遷移図、WF(ワイヤーフレーム)

  3. 【相手がよりわかるものを準備しましょう】

    ・追加で相手の方がよりわかるものを用意してみる。
       └ WFは画面構成を把握できるが、実際の操作感や大まかな挙動がイメージし辛い → プロトタイピングツールを使ってみる
        例:AdobeXD

上記3つを意識するだけでも、結構回避することができるのではないかと考えている。
とくにプロトタイピングツールは、デザインや特定条件での振る舞い方(例:ボタンを押したときどうなるのか)などを視覚的に共有できるので認識齟齬が起こりにくく、重宝している。
しかし、作り込むのが結構めんどくさく時間もかかるので、ある程度の妥協は必要だ。



最後に

仕事に慣れてくるとつい、楽な言い方や雑な伝え方をしてしまいがち。
だって、楽だから。。。。。。面倒くさいし。
私自身、日頃よく思う。

そんなときは、ジブリの宮崎駿監督のこの言葉を思い出す。

「大事なことって、たいていめんどくさい」

だけどもその積み重ねが、品質向上や取引先からの信頼獲得といった結果に繋がるものなので
私自身、引き続きこの認識齟齬を回避する努力・工夫を心がけていく。