2024年02月08日

あなたの知らないビジネスの世界探訪 -vol.21-

多様性社会を生きる現代人に必要な「上司力®」とは?部下を持つ社会人必見の”マネジメントのコツ”

 
皆さんは「上司力®」ってご存知ですか?

本対談では、人を育て活かす「上司力®」提唱の第一人者、株式会社FeelWorks 代表取締役の前川孝雄さんに取材をさせていただきました!

リーマンショック後の平成不況に苦しむ若者と触れ合う中で、若者のキャリア支援をする前に会社(上司)も変えていかなければならないと気付いたという前川さん。多様性が注目される現代で、部下の特性を生かし組織を強める「上司力®」は必要不可欠です。
また、多様性社会を生きる為に必要な「コミュニケーション・サイクル理論」も教えていただきました。

部下を持つ社会人、これから部下を持つであろう若手社会人には社会で生きていくヒントを是非本記事で見つけて頂きたいです。
対談をお楽しみください♪

※この記事は、國本さんの協力を元に、スマートソーシャルが開発したインタビュー生成AIサービスを利用して85%をAIで作成しています。
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前川 孝雄MAEKAWA TAKAO

株式会社FeelWorks 代表取締役/青山学院大学兼任講師。人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。
兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学(現大阪公立大学)、早稲田大学ビジネススクール卒業。
リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」などの編集長を経て、2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に㈱FeelWorks創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに研修事業と出版事業を営む。
「上司力®研修」「50代からの働き方研修」などで大企業400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に㈱働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人企業研究会サポーター、一般社団法人ウーマンエンパワー協会理事なども兼職。30年以上一貫して働く現場から求められる上司、経営のあり方を探求。著書は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks)、『ダイバーシティの教科書』(総合法令出版)など約40冊。最新刊は『部下を活かすマネジメント”新作法”』(労務行政)。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。

ダイバーシティで必要不可欠な「上司力®」とは?

中島

前川さん、今日はお時間をいただきありがとうございます。

前川さん

本日はよろしくお願いします。

中島

現在はどんな事業をされていますか?

前川さん

企業向けに研修事業を中心に、セミナーや人材育成コンサルティング等を行っています。
特に「上司力®」に関して、上司向けの研修を多く行っています。
またこうした人材育成に関する知見を本にして広く届けるべく出版事業も行っています。

中島

「上司力®」とは一体何でしょうか?

前川さん

部下一人ひとりの持ち味を踏まえて仕事を任せ、育て活かし、共通の目的に向かう組織の力を高め、
個人では達成できない成果を導き出す力
の事です。多様性を最大限に活用し、組織を開発していくことが重要だと考えています。
部下の育成とキャリア支援だけでなく、上司は組織として社会への貢献価値を最大化する事が重要な仕事ですね。

中島

確かに、上司である前に会社の一員として会社の利益に繋げる事がミッションですもんね。
多様性社会の現代で、部下が持つ個々の力を引き出す能力は必要不可欠ですね。

前川さん

顧客や社会のお役に立ったからこそ生まれるのが会社の利益ですね。現在、ベーシックな「上司力®研修」を起点に、Z世代の若者育成や年配のベテランから女性活躍など対象部下別や、傾聴やファシリテーションなどスキル別など様々なバージョン、
さらには半年から1年間伴走するアクションラーニング型の「上司力®鍛錬ゼミ」などを展開しています。

中島

上司にとって、昭和から平成・令和までどんな時代の変化があったでしょうか?

前川さん

昔は部下が上司に気を遣っていましたが、今は上司が部下に気を遣うようになっています。
課長や部長など上司の立場の人は、過多な残業やパワハラまがいのマネジメントが当たり前の時代に若手を経験しています。

中島

そうですね。今は、残業やパワハラに厳しい時代ですよね。上司は部下に対してどのような配慮が必要ですか?

前川さん

自分の経験知が通用しない時代、残業やパワハラはもちろん避けるべきで、
業務時間内で部下にきちんと仕事の意味や工夫を伝えて指導することが大切
ですね。

若者の悩みから見つけた「上司力®」の大切さ

中島

前職のリクルートでは何を行っていたのでしょうか?

前川さん

就転職に関するメディアの編集長をやっていて、リクルートを卒業する直前は「リクナビ」を統括する編集長をしていました。
就職や採用がゴールではなく、働いた後の方が苦労するのでそこを支えてあげたいなと思い、若手社会人向けメールマガジンの「リクナビCAFE」も作っていました。若手社会人の悩みを聞いて、それに答えるというものでした。

前川さん

当時、20代の大卒正社員の3人に1人は読んでくれているほど大きなメールマガジンでした。
そこの編集長もやっていた為、僕のことを慕ってくれる若者も結構いましたね。

中島

へえ~!かなり大きい媒体ですね。当時は、多くの若手社会人が悩んでいたんですね。

前川さん

そうですね、バブル崩壊以降長引く平成不況もあり、当時の若者は就職に希望を持ちにくい世の中でした。
悩み相談をしていく中で、若者を受け入れる企業側も新人を育てる余裕がなくなっていると気づき、
人材育成の灯を消さないために、若者のキャリア支援がしたいという思いが募っていきました。

前川さん

リーマンショックの際に会社を立ち上げ、初めは自宅でパソコン1台からのスタートでした。
小さい規模ですが若者向けキャリアイベントを開催していました。
私自身が若者からお金を取ることに抵抗を感じたため、
参加費を500円に設定してワンコインで参加可能なイベントを提供していましたね。
イベントでは、自分の仲間に手弁当で登壇して貰い、イベント後に若者と呑みに行くんですよ。
呑み代は奢ることになるから、集めたセミナー参加料では全く足りず大赤字でした(笑)

中島

それじゃあ会社としては回らなくなりそうですね(笑)若者への支援が会社設立のきっかけだったと。
では、「上司力®」の概念はどのようにして生まれたのですか?

前川さん

イベントに参加したら若者は元気になるんですよね。でも、イベントから少し経つと元気がなくなる。
若手が会社で仕事で成し遂げたい夢を語っても「そんなこと言ってる暇があったら目の前の仕事をやれ」と上司に怒られる。
そこで「若者を変える為には、上司側を変えなければ」と気付いたんです。

中島

若者の悩みの中に、現在の「上司力®」のヒントがあったのですね!

前川さん

元々、リクルート勤務時代に「上司力®トレーニング」(ダイヤモンド社)という本を執筆した経験がありましたし、
リクルート全社のマネジャー向けに社内メルマガ原稿も人事から依頼されて書いたりもしていました。
どの会社も上司側は若手の育て方が分かっていないと気づき、「上司力®研修」を2009年頃から本腰入れて提供し始めました。
今こそ「ダイバーシティマネジメント」という概念に拡がってきましたが、
当時女性活躍機運が高まってきており、そこの波とも上手くマッチしました。

中島

なるほど。今でこそ色んな背景や特性を持った人間をマネジメントすることは重要といわれますが、その先駆者だったんですね。

前川さん

私は既に仕事が得意な人を育てることよりもどちらかというと、
仕事経験が浅い若手が成長したり、働き場が得られずくすぶっている人が活躍していく姿にワクワクするんです。

リクルートでマネージャーをしていた時も、事業部から出されたような人たちを奮い立たせ、
彼らが活躍できるよう支援することに情熱を感じていました。
この経験を自分のナレッジとして蓄え、マネジメントや人材育成に関する専門書も貪り読んで知識を深め、
そしてそれを基に企業向けに独自の「上司力®研修」プログラムを開発しました。
日々働く環境や人も変わり続けているので、17期目となる今でも研修プログラムは磨き続けています。
気づくと30年以上、働く現場から見た上司や経営のあり方を探求し続けていることになりますね。

中島

仕事が出来ないからと若手を見捨てずに、逆に活躍できるように育てるのは、懐の深さと根性と情熱が無いと出来ないです。
凄いです、、!

視野を広めるコミュニケーション

中島

弊社代表酒井曰く、前川さんは「客観的な視点を持ち、その上で相手に優しく出来る人物」ということですが、
何か相手と接する際に気を付けている点はありますか?

前川さん

そうですね。私はコミュニケーションの重要性を強く感じています。
1)相手との違いを認める
2)相手が何故その価値観になったのか対話によって知る
3)自分は相手にどう向き合っていくか「あり方」が定める
4)日常でどう接するか「やり方」を変える

この4段階がコミュニケーションだと定義し「コミュニケーション・サイクル理論」と呼んでいます。
異なる立場の人が意見を交換することが大切です。
相手の価値観を認め、その背景を理解し、適切な対応を考えることが重要だと思います。

中島

このコミュニケーションだと、色んな考え方や価値観を自分の中で吸収できて視野が広くなりそうです。
だからこそ、前川さんは客観的な視点をお持ちなんだと思います!

中島

前川さんのお話を訊いていると、目の前の相手を後押しするような生き方をしているなと思います。
何かきっかけがあるのでしょうか?

前川さん

リクルートで19年ほど働きましたが、最初から編集部に配属され、
最後まで営業経験ゼロのままメディアプロデュースや商品企画などに従事してました。そこでの経験が大きいですね。
一般メディアのジャーナリズムは批判が多いのですが、
リクルートのメディアは「個人が幸せになるアクションを応援する情報提供」が根底にあります
多様な人の幸せに寄り添って仕事をすることに働きがいを感じていましたし、私の仕事観になっていると思っています。

中島

なるほど、、、!幸せになるアクションを応援するって素敵です。

中島

前川さんは、仕事で失敗した経験ありますでしょうか?それをどのように乗り越えたかについても教えてください。

前川さん

失敗だらけです(笑)。ただし私はすべての失敗を学習の機会と捉えています。
例えば、さきほど話した若者向けイベントも事業としては失敗ですが、
その経験が「上司力」の重要性を学習するきっかけになりました。

前川さん

また独立した際も、前職のリクルートで営業経験が無い為、見積書の作り方すらも知りませんでした。
起業当時は電話1回線しかなかった為、メンバー4人で1つの電話を回しながら電話営業していましたね。
「研修でお困りないですか?」と。当時の弊社は知名度ゼロですから、もちろんすべて切られて終わり(笑)
そこで"お客候補"からお問い合わせが来ないとダメだという事に気づき、起業した年に本を3冊も書きました。
精魂込めすぎて書き上げる度に高熱でダウンしていました。以降も毎年本を書き続けました。
すると、段々と本を読んで共感した経営者や人事の方から相談が来るようになりましたね。
とはいえ、いざ研修の受注が入っても、最初は研修の相場も分からなかったので苦労しました。
受注が入っても相場よりかなり安く出してしまったり、かなり高く出してしまったり(笑)
そんな失敗は数え切れません。

中島

へぇ!創業当初はそんな失敗もあったんですか!

前川さん

経営も失敗だらけですね。リーマンショックの時代に起業したこともあって、2年目まで赤字でしたし。
3年目以降黒字化したと思ったら、東日本大震災が起こったり、仲間が病気でダウンして仕事が頓挫したり。
極めつけは2020年のコロナ禍で、倒産しかけました。
3~5年ごとに経営難の波がきますが、乗り越えた時に喜びを感じていますね。
苦しい半面、乗り越えたら失敗談はネタに出来るし、最近はシメシメと思っています(笑)
そういう危機の時に経営を立て直すのが経営者の重要な役割だとも感じますし。

若手社会人、そして現在上司をしている貴方へ

中島

若手社会人に向けて、この時代どう生きていけば良いのかアドバイスはありますか?

前川さん

私の好きな言葉で、アランの『幸福論』に出てくる"悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する"という言葉があります。将来が見えずに不安定だから不安に思うか、将来どうなるか見えずに不安定だからワクワクするか、結局考え方なんです。
若手社会人には、どんな上司でも反面教師として学ぶことができるので、明るく考えて欲しいです。

中島

素晴らしいアドバイス有り難うございます。物は捉えようですね!
最後に、現在の上司をしている方達へのメッセージをお願いします。

前川さん

現代のマネジメントにおいて、上司の皆さんが若手だった頃の経験知が通用しなくなっている時代です。
最近出した本『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks)や『部下を活かすマネジメント”新作法”』(労務行政)にも書きましたが、
時代が変わり、ルールも変化していますので、
経営者や管理職の皆さんも新しい常識や作法を身に着けることが出来れば問題ない
のです。
部下が最大限のパフォーマンスを発揮できれば、上司の自分にとっても組織全体のパフォーマンスを上げることになり結果に直結するので、是非「上司力®」を身に着けて欲しいと思います。

中島

とても勇気と元気が貰えました!
前川さん、貴重なお話をありがとうございました!

前川さん

本日はありがとうございました!

今回の発見

  1. 「上司力®」とは、部下の個性を活かし、組織全体の成果を引き出す力のこと
  2. 上司の役割は、過去と比べ、現代では部下への配慮と多様性の理解が求められるようになった
  3. 異なる価値観を持つ人々との対話を通じて理解を深め、
    適切な対応を模索する「コミュニケーション・サイクル理論」の実践が大事

今回の取材で、「上司力®」ってとても大切だと改めて思いました!
今の時代、みんな違ってみんないいっていう多様性をうまく活かすって、本当に難しいんですよね。
前川さんが仰っていたように、だた部下を動かすのではなく、部下の個性を活かしてチーム全体を良くしていくっていうのが特に心に響きました!
とても勉強になる素敵な取材でした✨

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