リクルート同期の黒田さんから紹介いただいて
黒田さんと苦楽を共にされた細野さんの本をGW最後に読みました。
思わず1時間で読んでしまいました。
感想文も書きました。ぜひすべてのビジネスに関わる人に読んでほしいです。
以下 私の感想文です。
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まず初めにこの本を読むときは誰にも邪魔されず
自分だけの空間で、自分だけの世界に浸れる中でを
強くお勧めする。
誰かに声をかけられたり次のアポイントで読書を遮られるそんな瞬間さえも、もったいないと思わせる、そんな書籍である。
例えば
素晴らしい青春群像の小説や、ドラマチックな物語を読む感覚に近いだろうか。
10代の時に読んだ「龍馬が行く」か、50代で読んだ「下克上受験」に近いものがある。
かたや、日本の歴史に挑戦し、新しい世の中を創ろうとした男の物語。方や中卒という学歴にめげずに娘を最難関の桜蔭に合格させるために父と娘で成長していく物語。
どちらの主人公も単なる成功物語や武勇伝でないところがポイントである。
冷静に現実を見据え、常識にとらわれることによる矛盾、無理、無駄を削ぎ落として新しい価値を見つけるに至る、と言うところが最大の魅力であり、スペクタルを感じるのである。
この本もまさにそのスペクタルの連続である。
読み進めるうちに自分が欲しかったものが連続して現れ
、次のページが待ちきれなくなる。
そして坂本龍馬と下克上受験親子の2人とこの本の筆者に共通する
一つのキーワードは、
「失敗することを恐れぬ」ではなくむしろ失敗から「しなくていいことを導く方程式」なのだ。
そこにはいつもの日本にありがちな努力、根性論や始めてしまったものはやめられないという悲惨さは微塵もない。
(創り始めた戦艦大和は時代遅れでも創り切らないと行けないetc)
この本はシステムを組み込んだサービスを立ち上げるモデルについて語っているが、
今の現代、ありとあらゆる業種がシステムを組み込んだサービスから逃げられないことになっている。
とすれば、この書籍は全ての経営者や営業などサービスを実際に企画、運営、販売するなど、すべてのビジネスマンにとっての教本であることは間違いない。
私は20年近く前、筆者と同じ会社で割に近い立場で働いていた。
当時のそこはこの本に書かれている一神教の時代であり、
サービス構築についてもクライアントに近い営業がこうしてくれなければ売れない、という物をなんとかシステム開発側と折り合いをつけるというのが私の仕事だった。
創ればまだ売れたのである。
今にして思えば、競合も少なく、営業力と先行力で乗り切れたいい時代だっと痛感する。
創れば売れた時代を筆者は一神教時代と呼ぶ。
時代は変わり、現代では様々なプレイヤーが出現している。
より、成功の確率は少なくなり、方や開発コストは高騰の一途を辿っている。
始めたら止められず後戻りできないでは済まない時代になった。
ところが、未だに大企業をしてそれは改善されていないようだ。
サービスを創れば儲かるとの認識のもと、経営に何回も提出された計画がGoされた時、もう後戻りはできない。
目的と手段がひっくり返る瞬間であり、創り上げることが目的となってしまう。
サービスで儲けることが目的だったはずなのに。
また、それこそが中期経営計画だったはずなのに。。。。
私事ではあるが私は、今、システム会社を経営している。
クライアントは、大手から中小までさまざまであるが
事前にお客様と話し合い、創る事が目的化している場合は
あらかじめお話をしてお断りすることが多い。
サービスが成立しなくてお客様にご迷惑をおかけすることも
忍びないのだが、何よりエンジニアが自信を無くしたり、健康を害する事が心配なのだ。
成功しなかったサービスはクローズされ、結果としてエンジニアは苦労したのに事例と実績が残らない、サービスが続かないので弊社は収益が得れないという悪循環が繰り返される。
誰も幸せにならない焼け畑が広がっている。
そうならないためのリーンマネジメントのエッセンスがこの本にはふんだんに記載されている。
・仮説と検証
・イノベーションにおける人間心理の移り変わり
特に1番参考になる項目は
「仮説の段階では大きな声では言わず
ちゃんと実験してデータを取ったタイミングで
そっと事実を提示する」
という部分である。人間、誰しも自分の意見に自信があり分かってもらえないと不条理を感じ、そのエネルギーがマイナスに働き、本来のサービスを進めたかった方向に向けられない場合がある。
こう言った時こそリーンマネジメント的手法で小さく試して事実で実績を作りそこを足がかりにするめればいいとわかる。
これは大企業での仕事の進め方も中小ベンチャーの事業運営も一緒である。
この一点がわかっただけでも自分の知っているすべてのビジネスに関わる方に勧めたいと強く感じた。